愛する東京、三日間|2026年8月
私にとって東京は特別な場所。毎年、年に2回程度訪れるその貴重な機会を、いつもとても楽しみにしている。
やることはほぼ決まっている。ケーキ、バー、ホテルである。
今回一番の目的は、パークハイアット東京のスイートルーム。リニューアルオープンしたパークハイアット東京を存分に楽しもうと初めてのスイートを選んだ。
そんな特別な旅は、普段とは違う非日常を過ごし、自分自身をアップデートするのが目的。快適に過ごすために細かく計画していた。
東京へ向かう朝
Uber
1日目、朝。予約した新幹線の時間に合わせて家を出発。タクシーで最寄駅まで向かった。Uber目的地は、交差点を右に曲がった先の駅入り口に一番近いポイントを指定した。Uberはドライバーに目的地を伝える必要がないのが気に入っている。
もうすぐ到着という地点で「このあたりでいいですか?」と聞かれ「はい」と咄嗟に言ってしまった。交差点を右に曲がるすぐ手前の三車線の一番左側の車線だった。ここで、「曲がった先まで行ってください」と言えない性格だ。日焼けを気にする私は、炎天下で長い交差点を渡らずに済むよう、駅入口に近いポイントを指定したのに。こんなことなら、いつものように気遣いまで素晴らしいプレミアムにしておけばよかった、と少し悔やんだ。
スタバ
京都駅にはわりと余裕を持って到着したが、新幹線のチケットを発券するより前に、先にスタバの注文を済ませておくことにした。アプリを開き所要時間もチェックした上で注文完了。スタバへ向かった。予想以上に長い行列ができていて、アプリに表示された所要時間では無理そうな嫌な予感。発車時刻の3分前まで粘ったがあいにく順番が回って来ず、泣く泣くスタバを後にした。
行きの新幹線でいつもお決まりのスタバ。二人掛けの席を一人で使い、窓の景色を眺めながら美味しいコーヒーをゆっくり飲むのも楽しみの一つだ。気を取り直して新幹線モバイルオーダーサービスでコーヒーを注文する。やけに独特な喋り口調の車内アナウンスが気になった。
スタバには味も雰囲気もかなわないが、美味しいコーヒーを飲みながら、今日から始まる東京旅のことを思いワクワクしていた。
ケーキを優雅に
最初のミッションがあった。
1日目のホテル「品川プリンスホテル」で、アーリーチェックインすることだ。
お気に入りのパティスリーでケーキをテイクアウトし、それをゆっくり食べられる場所を確保しなければならない。
シェアラウンジ代官山

シェアラウンジ代官山の個室ROOM Aを予約していたものの、1時間11,000円という料金には少し躊躇していた。もしアーリーチェックインできるなら、ラウンジはキャンセルしてホテルの部屋で食べたいと思っていたからだ。
アーリーチェックイン
新幹線の中で調べていると、西武ホテルズの公式アプリの新規入会特典でアーリーチェックインのクーポンがもらえることがわかった。

品川駅で降り、そのままホテルへ向かう。
11時頃のフロントはチェックアウトの時間と重なり、行列ができていた。アプリを提示して部屋を確認してもらうと、運よくすでに準備が整っているとのこと。
特別な東京旅にするためにホテル選びも大切。

大きな窓のある高層フロア。開放感抜群で良いケーキタイムになりそうだ。
次は恵比寿のLESSへ向かう。
LESSは、私が一番好きなパティスリーだ。三度の飯をケーキにする程ケーキが大好きな私にとって、ここは夢のような場所なのだ。
その前に準備が必要だった。
ケーキタイムの準備
ホテルへ戻ったらすぐにケーキを楽しめるよう、ケーキ用のお皿とカトラリーを用意しておきたい。電話でルームサービスの担当者にお願いしてみた。
品川プリンスホテルほどの大きなホテルなら当然あると思っていたのだが、意外にもお皿とカトラリーの貸し出しは無く、紙皿と木製カトラリーの使い捨てタイプの提供になるという。
また予定が狂った。
高層階からの景色を眺めながら、きれいなお皿とカトラリーで優雅にケーキをいただくつもりだった。私にとって、お皿やカトラリーも大切な雰囲気の一部なのだ。
そしてLESSに到着した。

まさかの定休日
定休日だった……。
初日に、LESSのケーキを楽しむための色々な準備をしていただけに、かなりショックだった。
定休日そのものは調べていた。ただ、お盆期間で営業日が通常と異なっていたのだ。詰めが甘かった。
幸い、翌日は営業している。明日、改めて訪れることにした。
完全に想定外で、代わりのパティスリーが思い浮かばなかった。大好きなニューヨークグリルのランチブッフェに決め電話予約したものの、あまり気が乗らずキャンセルした。
ジャヌパティスリー

気を取り直して、ジャヌ東京へ向かう。LESSの代わりはジャヌ パティスリーにした。
ケーキを買う前に、同じ麻布台ヒルズ内のTEAPONDで紅茶を調達した。美味しいケーキには、美味しい紅茶が必要だ。

ジャヌ東京に到着してパティスリーを探したものの、どうやら間違ってフロント階まで来てしまったらしい。フロントで尋ね、パティスリーのある1階のレストラン受付まで案内していただいた。何度か来たことがあってもなかなか覚えにくい構造の場所である。
いつものようにカフェの座席は若い女性二人組で埋め尽くされていた。楽しそうな彼女達を微笑ましく思う一方、似たようなファッションで着飾った人たちがこの一角に集まっている光景は、私には異様に映った。
ケーキを4個購入。
今度こそケーキタイムだ。タクシーに乗り、ホテルへ急いだ。
部屋に戻り、用意していただいたお皿と木製カトラリーとケーキ、紅茶を準備しケーキと東京の景色をゆっくり楽しんだ。










実は、偶然行きたい場所を旅の直前に見つけていた。フェアモント東京のテラスだ。
メズム東京に宿泊して以来、東京湾に浮かぶ晴海の高層マンション群の景色が大好きになった。そんな湾岸の景色を間近に望めるテラスの写真を見つけた時は衝撃だった。洗練された空間と唯一無二の景色の奇跡の融合だ。


こんなに好きなのに、知らなかった。自ら求めないと辿り着けないものがこの世の中には他にもたくさんあるのだろう。一人行動派の私の弱点でもある。同じ趣味の人たちとつながり情報交換していたらもっと早く知っていただろう。
フェアモント東京
夕方フェアモントに向かった。
車寄せに到着。看板犬のワンちゃんは居ない様子。
スタッフの方にロビーラウンジへの行き方を尋ね、エレベーターまで案内していただく。
満席のラウンジ
エレベーターを降りるとロビーラウンジが広がっていて、席は半数ほど埋まっていた。スタッフにテラスを利用したいと伝える。「ご宿泊の方ですか?」と聞かれたあと、「満席です」とのこと。どこでもいいので利用したいと伝えたが、やはり満席で利用できなかった。
バー

ロビーラウンジのテラスを利用できないのは残念だったが、同じく利用したいと思っていたバーで飲むことにした。


不思議な球が弾けて中から良い香りが漂う。この球体の作り方が気になって聞いてみると、香りを閉じ込めて作る専用の機械があるらしい。
まだ、テラスに未練があった。そろそろ席が空く時間かもしれないと思い、バーのスタッフにテラスの画像を見せて、このテラスの予約ができるか聞いてみた。すると、このバーにもテラス席があるらしい。案内してもらった。
絶景テラス

開放的なテラスからは東京湾とレインボーブリッジがすぐ目の前に見える、圧倒的な絶景が広がっていた。
席をここに移動させてもらい、誰もお客さんがいなかったので一番大きなソファー席を使いたいとの希望も了承していただいた。
奥にはチャペルの豪華な空間が借景となり広がっている。




当初予定していたロビー階のテラスは叶わなかったけれど、別の形でテラス席を利用することができ、快適なソファーでくつろぐこともできて貴重な経験となった。
何事も諦めずに思い続ければ願いが叶う、とよくいうけれど、本当にそうだなと実感できる体験だった。
秘密の場所
バーを出ようとした時、先ほどのスタッフの方から「秘密の場所があるんですよ」とのこと。案内に従い廊下を進んで行くと、一番奥の突き当たりに着いた。扉にはノブが無く、レコードのラッパ(蓄音機のホーン)を模した部分に手をかざすと、隠し扉が開くトリックになっている。DJバーだ。そのまま一杯飲んで帰ることにした。こじんまりとした店内からは東京タワーが目の前に見える。柱と壁に挟まれた半個室のような窓際の席はプライベート感があって心地よかった。



メズム東京
フェアモントのすぐ近くにあるメズム東京のラウンジに立ち寄ったあと、ホテルに戻った。


翌朝
残っていたパンナコッタを食べた後、いよいよパークハイアット東京へ。

LESS
向かう途中、今度こそLESSでケーキを購入。駅前の花屋でオレンジとグリーンのアレンジを選んだ。
パークハイアット東京
13時ごろチェックイン。事前に誕生日利用を伝えたり、ビューバスについて問い合わせたりと、計画的な準備の甲斐もあったのか、ご厚意で一つ上のカテゴリーであるパークプレミアスイートにアップグレードしていただいた。










大きな窓のある明るく開放的なバスエリアを備えたパークプレミアスイートは本当に素敵な部屋で、貴重な体験だった。







チェックインで、お花を飾るための花瓶とハサミ、ケーキ用のお皿とカトラリーを依頼。早速、花を飾ってケーキをお皿に盛り付け、紅茶を用意した。
高層階のスイートルームでLESSのケーキをお花を愛でながら頂くという至高の体験。Bluetoothスピーカーから流れるお気に入りのjazzに包まれながら。














ニューヨークバー
夕方、予約していたニューヨークバーへ。









トワイライトと夜景の両方を楽しむ。生演奏とともに摩天楼に浮かぶ夜。帰ろうとしていると、誕生日ケーキのサプライズをしていただいた。一人利用で少し恥ずかしさはあったが、けっこう慣れていると虚勢を張っておこう。すっかり暗くなっていたから気にならない。

ビル内にあるコンビニで夕食を購入し、部屋でゆっくり過ごした。











最終日3日目
通常12時のチェックアウトは、チェックイン時に13時まで延長してもらっていた。タイムリミットぎりぎりまでホテルを満喫したかったので、もう一度部屋でケーキタイムを楽しむことにした。選んだパティスリーはリッツカールトン東京の、ニナ。今年新しくオープンしたようだ。

最後のケーキタイム
リッツカールトン東京のパティスリー、ニナのショーケースの中から2個選んだ。その中の一つ、桃のパブロバはあいにくイートイン限定だったので店内でいただいた。
同じミッドタウン内にある、ディーンアンドデルーカと、ジャン=ポール・エヴァンもチェック。パッションフルーツのムースケーキを購入した。

ホテルに戻りケーキタイムを楽しみ、そうこうしているとあっという間にチェックアウト時間だ。花瓶に飾った花を元通りに包み直し、いただいたバースデーアメニティーをスーツケースに入れ、身支度をする。









やり残していることがあった。クラブオンザパークにあるプールやジムやスパを利用したことがなく、今回こそ体験してみたかったのだが時間が足りない。チェックアウトの時、この後利用したいとお願いすると快く了承いただけた。
クラブオンザパーク
スイートルーム宿泊者特典のユニフォームとシューズの無料レンタルを利用し、まず、ストレッチをするためにスタジオへ向かった。壁一面がガラス張りの新宿のビル群を見下ろしながらのストレッチは爽快だった。スタジオには、インストラクターと親しげに話しながら施術してもらっているおばさまが一人。スタジオからガラス越しに見えるプールには談笑しながらウォーキングをしている人や、プールサイドのリクライニングチェアで休んでいる人、いずれも70代くらいの男性5人ほど。クラブ会員だろう。
その後、スパで汗を洗い流しイソップのバスアメニティーの良い香りに包まれた。休憩エリアに用意してあるデトックスウォーターやフルーツジュースで喉を潤し、絶景が広がる窓際のカウンター席で高層ビルを見下ろしながらメイク直しをした。空間、建具、備品、何もかもが心地よかった。気になる要素が無いという不思議な感覚だった。
ブルガリホテル東京のバーへ。
ブルガリバー

無料セイボリーの提供時間だった。三種のおつまみはお代わりを何度も持ってきてくれる気前が良いサービスだった。












綺麗な夕日。
次は、念願の宿泊者限定エリアでこの夕日を見ることになるだろう。冬ごろの予定。独り占めするには、あまりにも勿体ない。同じようにこの場所に価値を感じる誰かと一緒に。
終わり。